[ エンジン周りについて ] 2015/05/16(土)
ホンダの新型ステップワゴンはダウンサイジングターボエンジン搭載だと、CMで言っている。これは時代の流れだと思いました。
かつて「俺のクルマは3000cc」だとか、2500ccだとか、大排気量がステイタスシンボルだったのに、今はフォルクスワーゲン ビートルも3ナンバーでありながら1595ccのモデルがあります。
その小排気量にターボチャージャを付けて、かつ低回転側での使用領域をオートマチックトランスミッション側制御でうまくマッチングさせると低燃費かつ悪くない性能のクルマができるというしくみが「エンジンのダウンサイジング」の狙い。
エンジンダウンサイジングは、燃費が良くなり、エンジンの製造コストは安くなり、コンパクトボディーへの搭載が簡単になり、いいことづくめ。ただひとつだけ懸念は「え!俺のクルマ、3ナンバーのクセに1500ccかよ!」と、大排気量崇拝者をがっかりさせないかどうか・・・。
なので新型ステップワゴンの排気量が何ccかは、CMやカタログの目立つ部分から消えていました。実際は1496ccだけど、諸元表を見ないとそれが分かりません。ホンダに限らず自動車メーカーは、最近ではエンジン排気量を話題にださない戦術にやっきになっているように・・・私には見えます。
しかし、もともと大排気量のクルマはイージードライブのために、主にアメリカで流行しました。シフトチェンジをあまりしなくてもらくらくドライブできる、出力の余裕が生み出す業です。なので誰にでも簡単に運転できるから、選ばれた人だけが動かせるクルマではなくなるので、考えようによっては大排気量の車は「つまらないクルマ」でもあります。
一方、N-ONEのような軽自動車ではどうでしょう
軽自動車に360ccのターボエンジンを搭載してダウンサイジングは・・・あり得ないとは言い切れないけど、そんな車が市販されないことは保障してもいいぐらい。むしろ現行の660ccのエンジンにターボチャージャを装備したモデルは、立派に既にダウンサイジングされたモデルになっています。
なぜならば、軽自動車には唯一「自動車馬力規制」なる過去の遺物?が残っていて64馬力を超えてはイケナイ、とされています。N-ONEのターボ車も案の定64馬力(47キロワット)。片やターボなしモデルは58馬力。ターボチャージャをつけて、たった10パーセントしか出力が上がらない理由は・・・まさにダウンサイジングエンジンの制御と同じく「低回転側での使用領域を使うようにマッチングされている」というのが実態です。
つまり、どうせ64馬力以上出せないのだから、2千回転とか3千回転あたりの低回転数でターボが効くようにエンジンを作り込んでいる。なので軽でありながらリッターカークラスのような「走りの余裕」が生まれる、ということになってきます。
ただ今の時代のフル装備で重たい軽自動車の場合は、そもそも660ccエンジンでは出力不足なので、燃費よりも走りを改善するというのが上述新型ステップワゴンのダウンサイズエンジンとは考え方が違うところ。だからN-ONEはターボなしモデルの方がターボモデルより燃費で上を行っています。
今後、普通自動車はますます小っちゃいターボエンジンを載せた車が増えることでしょう。なのでもしかしたら運転が少々難しいマニュアルトランスミッション車が、マニアのために出ることも期待できるでしょう。
一方軽自動車は、多分電気自動車に移っていくのでは??と予想しています。今一番の問題は、電気自動車にしたらお値段高くなる!という大問題。軽自動車は遠乗りするケースは普通自動車より少ないと思えるから、家庭で充電できる電気軽自動車は時代に合っていると思うのに、今のところ三菱のiMiEV一本槍。N-ONE-Electricは今のところありません。
個人的には360ccのエンジンにターボチャージャを搭載したマニュアルトランスミッションのN-ONEみたいなクルマを所有してみたい気分満々です。きっと運転が難しくて選ばれた人しか運転できないでしょう。だから欲しくなる!
だけど、流れはその逆で、スイッチ入れたら全部自動でらくらくドライブの・・・そういうつまらない車がどんどん増えていくような気がします。
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