HondaのN-ONEを買いました日記

ホンダの軽自動車N-ONEユーザーとしての感想、便利/不便なところ、考えた事、気づき、ついでに調べたことなど綴った個人版N-ONEマニュアル

フォルクスワーゲン事件についての雑感

関連まとめ ] 2015/09/28(月)

ホンダともN-ONEとも直接の関係は何もないけれど、排ガス規制と、それへの技術的対応について、かつて自動車関係企業で開発に勤めた経験から、思うところがいくつかあるので書いてみました。フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正の事件は「ハンドルが動かされていない情報(操舵角センサー情報だと思います)を排ガス浄化システムの制御に用いた、ということが不正の決定的な根拠ではないか?と私は思いますが、もし操舵角センサー情報を排ガス浄化制御に加えていなかったとしたら、もしかしたら不正とはならないのではないか??つまり排ガス対策には大昔からグレーゾーンがあるのです。

排ガス規制は1970年代に始まりましたが、その頃から今でも一貫して「市内走行のような走ったり止まったり渋滞に巻き込まれたりするような走行状況において排ガスを規制する」という方針があります。これは大都市の公害がひどくて、それを何とか食い止めたいニーズからそうなったのですが、一方では高速道路を飛ばして走るとか、急坂を走行するみたいなエンジンが馬力をたくさん出す運転領域では今でもガソリン車とディーゼル車はどれも排ガス浄化システムが働くとは限りません。この排ガス浄化システムが働かなくても「構いませんよ」となっている運転領域がグレーゾーンだと思うのです。

エンジンはアクセルをベタ踏み近くのような馬力をウンと出させたい場合には、空気と燃料の混合割合を濃くして馬力が出るようにしているし、ガソリン車の場合は触媒などが熱で急速劣化しないように、最大馬力のためよりもっと濃くする制御も行われています。ガソリンエンジンでは混合割合が「理論混合比(燃料1に対して空気14.5から14.8)」より濃くなると、もはや触媒は部分的に作用せず、一酸化炭素やススが出てしまい、規制値から外れます。ディーゼルエンジン用の触媒は種類も多くて事情が様々で、どんな運転でも大丈夫な万能触媒は実用化されていません。

排ガス規制は上述のように市街地走行を「なんとかモード」という代表的運転パターンとして決めて、そのモードで運転したら排ガスが規制値以下になる、これが大事なポイントです。ただ規制の内容は単純ではないので、自動車メーカーの開発者は各国の規制内容文書をよく読み、それを逸脱しないようにシステム開発や制御の微調整を進めるわけです。つまり極論すると上記「なんとかモード」の試験にパスできれば、それを外れる運転領域でどんな汚い排ガスが出ていてもOK。事実上そういうことでした。

1970年代から80年代あたりまでの自動車は機械式によるアナログ制御しかできませんでしたからなんとかモードを含めて、それ以外のかなり広い運転の範囲まで排ガス対策が効いてしまいました。なので非力とかスカスカなエンジンの車と揶揄される車が世に出ました。

90年代に入りデジタルコンピュータで車の制御ができるようになると、もっと細かい制御が可能になったため、センサー技術や触媒技術の進歩とともに、なんとかモード付近の運転領域に相当ターゲットを絞り排ガス浄化対策できるようになりました。

ただ、この頃になると排ガス規制する側もさすがに、「なんとかモードを外れたところで排ガスを汚く出している車もあるみたいね、これはケシカランね」というムードになってきたように聞きました。

でも21世紀に入ってもモードを決めて排ガス試験をする、という基本方針はあまり変わらず、一方では自動車の制御は日進月歩で発達し、まさに排ガス規制モードのピンポイントにすごく近いところだけ排ガス浄化させることもできるようになったと思われます。

こんな車を実際の走行で排ガスを集めて汚染度を調べられたら、すごく汚い排ガスが検出されます。それでも今までの排ガス対策の歴史が、なんとかモードだけパスできていたら良い、となっているから、おそらくモードピンポイントの排ガス浄化システムを持った車があったとしても即違法だとはならないのではなかろうか??と想像します。

ところがVWは報道(http://jp.reuters.com/article/2015/09/24/factbox-diesel-engine-vw-idJPKCN0RO0EU20150924)によるとステアリング(ハンドルのこと)操作要因も分析されるソフトが入れられた、とあります。つまりハンドルが操作されているか否かの情報を排ガス制御に加えたことになると思います。

排ガス試験をするとき、被験車はシャシーダイナモという回転するローラーの上に乗せられ、そこで加減速や停止、発進を、なんとかモードどおりに繰り返して試験します。車はバンドでシャシーダイナモに固定され、ハンドル操作ができません。というかハンドル操作してはいけないので、試験するときはハンドルから手を放して行われるのがふつうでした。だからステアリングに付けた操舵角センサーは「ハンドルの動きなし」の信号をコンピュータに送ることができます。実際の道路での運転ではハンドル操作なしで運転されることなどあり得ないから、「ハンドルの動きなし」の信号が来たらコンピューターは「これは試験だ!」と判断することが可能で、そのときだけ排ガス浄化システムを100%稼働させることはできます。

操舵角センサー情報の本来の使い方はそんなではなく、走行中の車を安全に快適にさせる「姿勢制御」に使われるものですが、報道内容が正しければVWはこの情報を触媒制御に使ったことになるのではないかと思われます。

もしそうならば、もともとは、なんとかモードの近辺だけ排ガスがキレイだったらいいですよ、という排ガス規制の基本方針から逸脱して、とにかく試験にさえ通ればいい、ということになりますから不正となってしまうでしょう。

これから裁判が行われてリコールも進むでしょうから、かつて自動車関連に携わった者として、今後の行方を注視したいと思います。今回の件はホンダやN-ONEとはまったく関係が無いことで、しかもディーゼルエンジンの排ガス対策の話ですが、ひょっとして、もしかしたら、今までの排ガス規制の方針そのものが「これでいいのだろうか?」と見直すキッカケになってくるかもしれません。見直すとしたら「どんな運転を行ってもキレイなこと」みたいに当然キビシイ方向になると想像されます。

もしそうなったら電気自動車ぐらいしか実用できなくなるのではないか?
そんな自動車の将来の分岐点を想像させられるVWの事件でした。



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ホンダN600が気になったもんだから・・・

関連まとめ ] 2015/09/23(水)

日本国内で1500台しか販売されなかったホンダN600について調べてみました。
N360はN-ONEのイメージモデル(コンセプトモデルか?)になったらしい1960年代から70年代にかけての名車で、たくさん売れたから有名な車であったことには間違いありません。

それに対してN600がありました。
1971 Honda N600 Brochure - Japan
出典:flickr

主に欧米向けの輸出車で、海外には軽自動車枠などないからエンジン排気量増量で600cc化して販売されました。このような輸出向け排気量増量車はよくとられる手法。これは軽自動車のエンジン排気量がそもそも一般的使用において非力だと評価された証拠と言えるかもしれません。

くしくもN-ONEの排気量660ccと比べてN600はほぼ同等、エンジン出力はN-ONEが58馬力に対してN600は42馬力。
N-ONEがDOHC3気筒エンジン、しかも点火時期や燃料噴射量をきめ細かく調整できる電子制御システムなのに対してN600はSOHC2気筒エンジン、しかも古典的アナログの機械式制御であったから、これで42馬力叩き出したことは善戦だと言っていいと思います。

車両重量は550キロ。
N-ONEは最軽量モデルでも840キロ!!、エアコン当然標準装備や排ガス対策のための触媒装置、リアワイパーに衝突安全装置などなどN600にはまったく無かった装備が充実した結果、重さも増量になりました。それでもN-ONEの燃費は最良モデルでリッター27キロメートル、N600は18キロメートル。歴然とした差がありますが、実は燃費計測に用いる「モード」と呼ばれる運転パターンが違うからこの二つは比べられません。

おそらくN600の実用燃費は18キロに比較的近く、多分七から八掛けぐらいの値(リッターあたり13キロぐらいか?)、N-ONEでは六掛けぐらいになるのではないでしょうか。経験値からそう思います(4WD エアコンOFF 市内走行でリッターあたり18キロ内外)。この燃費向上の差は、電子制御エンジンへと技術進歩したことが大きく寄与したと思われます。ECU(制御用車載コンピュータ)でとてもきめ細かくエンジンを制御できるようになったのです。

N600のスタイルは旧車好きにはたまらないノスタルジックな雰囲気がありますが、いかにも1970年代の古さを感じます。

でも「ヘッドライトがしっかり前を向いている」、このスタイルはとてもいい!

N-ONEはどことなく「上目づかい」なところが私は唯一N-ONEの顔の気に入らないところ。ここだけはN600のようにスッキリしっかり前方を直視するような視線であったらなぁ、と思います。

ちなみに、このような上目づかい視線の車は最近増えました。
ダイハツ キャストなどがその典型かと。
こうなる理由は、空力性能対策でヘッドライト周りの気流の流れがスムーズになるよう流線を崩さないデザインが採用されたからだと思われます。

それと、カワイイ文化の影響でしょうか??

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プロフィール

なつお

Author:なつお
6年前に他社の車からホンダステップワゴンに乗り換え、今年(平成25年)からホンダのN-ONEに乗るユーザーです。自動車関連とIT企業に勤めていた今はブロガーの男。

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