HondaのN-ONEを買いました日記

ホンダの軽自動車N-ONEユーザーとしての感想、便利/不便なところ、考えた事、気づき、ついでに調べたことなど綴った個人版N-ONEマニュアル

N-WGNのエンジン「EGRシステム」

エンジン周りについて ] 2014/04/08(火)

N-WGNのエンジンに新に付け加えたと思われる機能について見てみる第三回目、今日のお題は「EGRシステム」このテクノロジーは下のサイトの2ページ目に“地味に”書いてあります。
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1312/06/news147.html

EGRシステムとは、エンジンの排ガスを一部吸気側に戻して、再び燃焼室の中に吸い込ませる仕組みです。この手段は最初(1970年代)は排ガス対策の切り札として“仕方なく”登場しました。排ガスは「不活性ガス」の一種で酸素が含まれていないから、燃料と空気の混合気に加えてエンジン内で燃焼させたとき、燃焼温度を下げられるという効果があります。その結果当時の触媒技術では如何ともしがたかった窒素酸化物の発生を抑えられたので、当時は排ガス対策のために「大量EGR」が多用されました。

その結果「走りのダサいエンジン」を搭載した車が多量に世に出た、いわば自動車の暗黒時代だった、と言っても過言ではないでしょう。
今では酸化還元触媒などが主流になったので、もはやEGRは少量でいいのです。

ところがなんとN-WGNでは捨てたハズの大量EGRシステムを採用している!のです。
でも実はこれ、EGRの持つ隠れた裏ワザ「燃費改善効果」を積極利用したものです。ガソリンエンジンの持つ「ポンピングロスが大きい」という短所を緩和させる働きをEGRは持っています。

ポンピングロス改善はけっこう燃費に効きます!
エンジンは「空気を吸って排気する」というポンプの仕組みが必然的に付いています。この「吸ってー、吐いてー」に必要な力が大きいと、それに燃料が余計に食われるからロスになるのです。イメージ的には口を大きく開けて息を吸ったり吐いたりするより、口笛を吹くぐらいのオチョボ口で吸ったり吐いたりする方がシンドイでしょう。それと同じようにスロットルを大きく開けて運転する場合より、渋滞路でジワジワ進むようなスロットルを絞った状態でエンジンを運転するようなときの方がシンドイ、つまりポンピングロスが大きくなります。

日常生活ではアクセルを思いっきり踏み込んでスロットルを全開にして走るような事など殆ど無くて、スロットルはほんの少し開けたり閉めたりするような使い方ばっかりだから市街地走行では燃費が悪いです。でも高速道路では少し多めにアクセルを踏み、スロットルが開き目になるのでポンピングロスが減って燃費が良くなる。こんな感がポンピングロスと燃費のイメージです。

ちなみにディーゼルエンジンはスロットルが無いのでポンピングロスはガソリンエンジンより少ないです。圧縮比が高くて理論熱効率が良いからディーゼルは燃費がいい、と思われていますが、このポンピングロスが少ないこともディーゼルの燃費株を上げています。

さて、N-WGNでは大量EGRによってポンピングロスを改善しました・・・みたいです。
これはいったいどういうことなのか?
仕組みは、エンジンが混合気を吸う時に排ガスを混ぜて増量させたら「口を大きく開けて息を吸うように」吸うときの力が減るということです。排ガスで薄まった混合気を吸わなければならないからスロットルは多めに開く必要があるので、その結果ポンピングロスを減らすことができるというわけです。

なぜ排ガスでなければダメなのか?排ガスではくて空気だけ吸わせたらいいじゃないか?
空気の中には酸素が入っているから、空気を多くして薄めると“良い混合比”が薄い側にズレて点火できなくなってしまいます。薄い混合気で運転できる「リーンバーンエンジン」というのも世にありますが、それはお金がすごーくかかる技術なので、もっと簡単にできるEGRでポンピングロスを減らす技術にスポットライトが当たったということになります。

このようなEGRを使った燃費改良は、理屈では昔からありましたが、実用化したのは最近です。エンジン制御用コンピュータ(ECU)が登場しその性能も上がったので、センサー技術の発達と相まってキメ細かいデリケートな制御ができるようになったから昔のように走らないダサいエンジンにならないでいられる、のです。

だけど私としては、過日のナトリウム封入バルブ&高圧縮比テクノロジーは羨ましいですが、このEGRは欲しくありません。嫌いです。
排ガスはどうしたってカーボンやヤニで汚れています。ディーゼルほどではないにしろ、ガソリン車の排気管の中は真っ黒でしょう。それを一部いただいて、わざわざエアクリーナで空気を裏ごししてキレイにした、いわば聖域とも言える吸気管に戻すだなんて想像しただけでウンザリします。

N-ONEでもちょっとだけは・・・(まさかN-ONEにはコレ採用されてないだろうな・・・)EGRしているとは思いますが、それでもときどきEGRパイプにパチンコ玉詰めて塞いでやりたくなる気持ちがムクムクします(ホントにそうしたら、きっとマッチング済のECUの制御点火時期データと実際が狂いますからやらないように)。

多分EGRは燃料噴射インジェクターのノズル周辺も汚すでしょう。ただでさえ吸気バルブが開いた瞬間に燃焼室から排気の吹き戻しという「自己EGR」があります。それに吸気は一方方向でスッとエンジンに吸い込まれるようなものではなく、バルブが開いてから閉じるまでの一瞬の間にも出たり入ったりを繰り返すから、大量EGRは“重ね重ね”吸気管内を汚くすると・・・私は思っています。きっとエンジンオイルも汚すことでしょう。
ま、しかし、開発する側も素人ではないからそういうリスクは百も承知千も合点でテストにテストを重ねていますから実用上問題ないとは思います。

まあ個人的には大嫌いなEGRシステムですが、燃費向上の貢献度からすると、二番手ぐらいに高いポジションにいるのではないでしょうか!?
きっと過日の私の大好きな「ナトリウム封入バルブ&高圧縮比テクノロジー」のご利益よりも上行っていると想像します。

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N-WGNとN-ONEのエンジンの違い その2「圧縮比&ナトリウム封入バルブ」

エンジン周りについて ] 2014/04/07(月)

N-ONEのエンジンには無くて、N-WGNのエンジンに新に付け加えた機能について見てみる第二回目、今日のお題は「圧縮比&ナトリウム封入バルブ」このテクノロジーは下のホンダのN-WGNページに書いてあります。
http://www.honda.co.jp/N-WGN/webcatalog/performance/detail/

N-ONEエンジンの圧縮比は11.2。一方、N-WGNのそれは11.8。
なんとN-ONEは負けているではありませんか!
私は正直、負けて悔しい!です。なぜなら「高圧縮比のエンジンは技術の誇り」という昔気質のエンジン技術者にはそんな、酷くこびりついた意識があるからです。

でも現代のセンサー、電子制御、材料、解析&シミュレーション技術をもってしたら、そんな過去の技術の誇りはもはやありません。
あるのはコストです。
そうです、ホンダのN-WGN仕様のS07Aエンジンには高圧縮比化に思い切ったコストをかけているわけです。それが「ナトリウム封入バルブ」
この妙な排気バルブのおかげで圧縮比11.8が実用化できている、ということです。

実際N-ONEエンジンの圧縮比11.2とN-WGNエンジンの11.8でどの程度燃費が良くなるかは私は知ることができませんが、おそらく私がかつてホンダではない他系列企業で試験していた頃の感触では、そう大きくはないのでは?と思います。
エンジンをテストベンチに据えて厳密な比較実験をしたら「ああ!確かに圧縮比が11.2より11.8になると燃費は良くなるな」と分かりますが、実際に走ると分からなくなる。私の当時の感触はそんなものでした。

そこにナトリウム封入エギゾーストバルブという、ノーマルバルブに比べたら、きっとコストは二倍ぐらいになるのではないか!?という豪華品を使ってまでやらなければならない理由は、N-WGNを燃費最高ランクに座らせるための決断だったのでしょう。
コストはかかり効果は少し、ツインインジェクションも同様だど、そいつらを採用しなかったら燃費で負ける。かと言って走りを妥協すると「なーんだホンダは・・・」と下げ評判になる。きっとそんな悩みと経営事情の葛藤が、結果としてN-WGNにナトリウム封入エギゾーストバルブを選択させたのだと私は想像しています。

ナトリウム封入バルブは上のホンダのサイトに図が載っているように、エンジンの排気バルブを中空に加工して、その中に金属ナトリウムを入れたものです。
この金属ナトリウムは熱ですぐ溶けて水銀のような液体金属になり、エンジンの回転中にバルブの中で上下に激しく移動して燃焼室の熱を、冷却水が流れている上部に効率良く逃がしてくれるものです。その結果、ヒートスポットになり易い排気バルブを冷やすことができるので混合気の自己着火、エンジンの癌とも呼ばれる異常燃焼「ノッキング」を発生させ難くすることができます。

異常燃焼「ノッキング」は圧縮比が高いほど発生し易いので、たかが11.2を11.8に上げるだけでも、それはそれは慎重になるわけです。

ノッキングを抑えてガソリンエンジンを高圧縮比化できる救世主のナトリウム封入バルブは、たとえば日産GT-Rで使われています。
古くは大戦中の戦闘機用エンジンにも使われていましたから技術は確立しているものの、お値段が高いからあまり軽自動車には使わないようなものです。

なぜナトリウムという金属をわざわざ使うのか?
それはバルブの中で軽くて液体のままで使えるという性質がナトリウムに有ったからです。
でも金属ナトリウムはすごく危ないもので、直接手で触ると酷い火傷をするし、水の中に入れたら爆発します。

このナトリウム封入バルブを昔から作っていたメーカーのひとつが三菱重工業です。三菱重工業はナトリウムの入っていない「中空バルブ」という軽いバルブを作っていて、その中空になった中にナトリウムを埋め込めばナトリウム封入バルブができる、というわけです。
http://www.mhi.co.jp/discover/graph/kokonimo/no167.html
GT-Rのナトリウム封入バルブは三菱重工製ですので、おそらくN-WGNもそうではないかと想像しますがよく分かりません。

技術的にはナトリウム封入バルブは“誇り”なのですが、軽自動車であることを考えると何だかガラパゴスの更なる進化という気もします。
ユーザーの立場から眺めると、あまり高い買い物にならなければガラパゴスでいいのですが。

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プロフィール

なつお

Author:なつお
6年前に他社の車からホンダステップワゴンに乗り換え、今年(平成25年)からホンダのN-ONEに乗るユーザーです。自動車関連とIT企業に勤めていた今はブロガーの男。

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