HondaのN-ONEを買いました日記

ホンダの軽自動車N-ONEユーザーとしての感想、便利/不便なところ、考えた事、気づき、ついでに調べたことなど綴った個人版N-ONEマニュアル

新型N-BOXのS07Bエンジン雑感

エンジン周りについて ] 2017/09/01(金)

ホンダのN-BOXが新型で登場し、売れ行きは上々だそうです。N-ONEもほぼ同じ仕様変更で近々に新型となるだろうから、一足先にリリースされたN-BOX搭載の新エンジンS07Bについて雑感を書いてみたくなりました。

S07Bについては下記リンク先の解説が割と詳しいと思います。
↓↓↓
ホンダ、自然吸気エンジンに「VTEC」を軽初採用・・・(Car Watch)記事へのリンク

私はてっきり新型Nシリーズのエンジンなどパワートレーンと言われる部分はスズキのようにマイルドハイブリッドで登場するのかと思っていました。エンジンの変更は僅かにし、その代わりにたとえば後輪を電気モーターで補助駆動するような仕組みになるのでは??と、この予想が的中することを楽しみにしていたら、全然ハズレ。

なんとロングストローク+ VTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)の採用という、エンジンだけで見たら割とカネのかかる変更をやって登場してきました。これは技術のホンダらしいと言えるかもしれませんが、実に意外でした。たぶんですが、他社との燃費競争にさらされているので、本当はVTECまでやりたくなかったんだけど、しかたなく導入したのかと・・・??

その他に無段変速機のCVTも内部諸元を変更しており、CVTの弱点だった内部摩擦ロスの軽減をやっていまして、こちらの方は正統な機構改良という気がします。さらに燃費改善効果もきっと大きかったのではないかと想像します。

旧N-BOXのエンジンS07AにはVTECではなくてVTCという可変バルブタイミング機構だけがついていました。これはカムの位相を変える(バルブ開閉時期が変わるようにカムを振る仕組み)装置で、これによって低速も高速もトルクを増やす仕組みでしたが、S07Bではこれでは足りなくて高速ではバルブをもっといっぱい開くような仕組みがプラスされたものです。これは低速カムと高速カムを切り替えるという離れ業をやってのける必要があります。
以下の動画でその仕組みが垣間見れます。


VTECまで必要になった理由は、エンジンを燃費改善のためにロングストローク化したら出力がS07Aより出なくなってしまった、ということだろうと思います。きっとコンパクト燃焼室にしたために吸排気バルブのサイズや吸排気ポートの断面積が縮小されて、出力に不足が出たためなのでしょう。それを克服するためにホンダの手持ち技術だったVTECを入れたのでしょう。

このVTECはVTCより仕組みが複雑なため、当然お値段高いはずです。

さらに、ロングストローク化したために、エンジンの主要部品はまったく新造しなければならなかったはずです。

ロングストロークは、シリンダの直径を縮め、長さを長くすることなので、シリンダーブロックの背丈を高くしなければなりませんから、シリンダーブロックはダイカスト金型から作り直し。クランクシャフトも同様に鍛造形から作り直し。コンパクト燃焼室のためにシリンダーヘッドも金型から作り直し。コンドッロは従来品が使えたかもしれませんが、もしかしたらピン径やピン幅縮小で新造したかもしれません。このような主要部品の新造のためにはダイカストマシンや機械加工設備そのものはS07Aと同じものを使い、S07B用部品を生産する場合は、金型や工具や部品素材を加工マシンに取り付けるための「冶具」というものを段取り替えして生産します。だから眼を剥くほどのコスト増にはなりませんが、たくさん売り上げないと投資が回収できません。きっとNシリーズは次も売れる!とホンダには自信があったのでしょう。

個人的に、私はVTEC(他社ではVVTなどとも言います)などの機構が好みではありません。

理由は、カムを切り替える機構は、高速運転中で実に激しく動き回るロッカーアームの部品内に硬い金属製のピンを、相手方部品のピン穴に命中させて打ちみ、減速時には抜くという離れ業の仕組みがありますが、ピンが穴に油圧で打ち込まれる瞬間は、ピンの頭が相手部品の穴の縁でガリガリ削られ、それにも負けずに穴に入っていくような過酷な現場を想像するからです。

もしピンが硬い金属じゃなくて、キューリのように柔らかいモノだったら、まるで野菜スライサーにキューリを押し込んでいるような感じに見える???。
しかしVTEC開発中に噂で聞いた話では、ロッカーアームが動いていない僅かの時間帯に強い油圧で目にもとまらぬ早業で一気のスパーン!とピンを相手部品の穴に入れ込み完了するからガリガリが発生しないのだ、ということらしいです。

でも本当にガリガリしないのかな?
私がかつて働いていたホンダではない別の自動車関連会社で、ホンダ式ではないけどやっぱりピンを油圧で押し込む可変リフト機構試作品を試験した部品の分解したヤツを見たとき、その試作部品のピンは角が穴で磨かれて丸く変形していました。ホンダ式はそうならないうようにうまく作ってあるのでしょう。きっと。

その点VTCはカムを油圧でキュキュッと首振りさせるだけなので、そもそもガリガリ現象を心配する場面がありません。

ホンダがこのVTECを選んだ理由はきっと、マイルドハイブリッド機構を積み込んで車を重たくさせたくなかったことと、まだVTECを着けて新造部品を増やす方が安上がりだったのかもと思います。

ただ、もう世の中はどんどん電気自動車(EV)の流れになっているから、早くEV技術を世に送り込んで不具合の無いEVを市場で育てた方がいいんじゃないかと思うのですが、今回のVTEC新エンジンもマツダの新エンジンも、まだまだガソリンエンジンを続ける気まんまんなようですね。

私としてはマイルドハイブリッドを選択して欲しかったのですが・・・。

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合理的でない必要部品、オートラッシュアジャスタ

エンジン周りについて ] 2016/12/14(水)

最近の自動車用エンジンには「オートラッシュアジャスター」という、ロッカーアームがバルブを叩くカチャカチャ音が出ないようにする部品がついているものが多くなりました。ホンダN-ONEにもオートラッシュアジャスターは付いています。

オートラッシュアジャスターの仕組みは・・・
ロッカーアームの支点を油圧で押し上げて、カムとロッカーアームとバルブ先端をいつも密着させることで、叩き音の原因になる「バルブとロッカーアームの隙間」つまり「ラッシュ」をゼロにします。
下記の画はホンダのエンジンではないけれど、比較して書かれているので引用しました。


オートラッシュアジャスターによってエンジンから出るカチャカチャノイズは大幅に減るので、うるさいエンジンとか、汚い音のエンジンではなくて、静かなエンジン、良いエンジンと客から評価されるようになるのですが、オートラッシュアジャスターで静かになったエンジンは代償に、パワーを少し犠牲にしているかもしれません。

その理由は・・・
「バルブとロッカーアームの隙間」がゼロということは、バルブが最後までカムの曲線に追従してソフトに閉まることになります。
ところがバルブが完全に閉まる直前にはシリンダーに送り込んだ空気と燃料の吹き戻しが極力少なくなるように、バルブとロッカーアーム間に隙間を作り、「バチン!」とスプリングの戻し力で、短時間に勢いよく閉めてしまう方がエンジンパワーが出るようになります。

でも「バチン!」という音が毎回出て、それがエンジンの外で聞くと「カチャカチャいう安っぽくてうるさくて汚い音」に聞こえるからお客から「ダメエンジン」と言われてしまいます。

そこで、バルブが完全に閉まる直前にシリンダーに送り込んだ空気と燃料の吹き戻しを多少許しても、バルブが「バチン!」と閉まらないように、スッとソフトに閉めてやるのがオートラッシュアジャスターの役割になります。おかげで少し吹き戻しがあって、せっかくシリンダーに送り込んだ空気と燃料はインレットマニホールドの方に少し戻ってきてしまいますから、その分だけエンジンのパワーは犠牲になります。

でも大丈夫・・・
その程度のパワーの差はレーシングカーのドライバーでもない限り、ふつうのお客には分かりません。しかも音の静かな「良いエンジン」ができるのですから、どのメーカーでもオートラッシュアジャスターを使いたがるのですね。

以前は高級車向けのオートラッシュアジャスターでしたが、軽自動車にも普及してしまいました。

でも今でもちょっとでもパワーを出したいエンジンには、オートラッシュアジャスターではなくて、アジャストスクリューがちゃんとついていて、吸気バルブは0.15mm、排気バルブは0.25mmの隙間をシックネスゲージで調整する、っていう伝統的な作業が残っているエンジンもあります。

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プロフィール

なつお

Author:なつお
6年前に他社の車からホンダステップワゴンに乗り換え、今年(平成25年)からホンダのN-ONEに乗るユーザーです。自動車関連とIT企業に勤めていた今はブロガーの男。

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